よくあるご質問(FAQ)

1. 製品のコンセプトと仕組みについて

甲山製作所のバリ取り機にはどのような特徴がありますか?

弊社のマシンは、現場のアイデアから生まれた「使い勝手の良いマシン」です。もともとは自社の精密部品加工工程を効率化するために内製したものが製品化のきっかけとなっており、簡素な構造で耐久性が高く、低コストである点が多くの顧客に評価されています。

「倣い(ならい)式バリ取り」とはどのような仕組みですか?

回転しているワーク(工作物)の実際の稜線(エッジ)を、工具がなぞるように追従して加工する方式です。

単に決まった軌跡を動くのではなく、一定の荷重で工具を押し当てるため、以下のような意図・メリットがあります:

  • 個体差の吸収: ワークごとの微妙な寸法のバラつきや、鋳造品のうねりに対しても、現物の形状に合わせて工具が上下に動くため、削り残しを防ぎます。
  • 均一な面取り: 稜線を忠実になぞることで、全周にわたってバリ取りが可能です。
  • 調整の簡素化: 厳密な位置決め設定をせずとも、工具がエッジに当たって「倣う」ため、細かな調整が不要です。
ワークの取り付け精度はどの程度求められますか?

弊社の「倣い方式」は工具を押し当てるため、取付精度に精密さは必要ありません。多少の偏心や面振れは許容されるため、治具の簡素化が可能です。

2. 標準機の仕様・ラインナップについて

標準機のラインナップと対応サイズを教えてください。

主要シリーズの仕様目安は以下の通りです。各シリーズとも、個別カスタムにも柔軟に対応可能です。(詳細は「製品情報」へ)

シリーズ 特徴・加工軸 対応サイズ(目安) 外形寸法 / 重量 対応モジュール
KSG-100 ・低価格・省スペース
1軸仕様
超硬バー/砥石の選択制
外径 φ20~290mm
厚み 20~200mm
W630×D900×H1350
約130kg
m1~m12
KSG-300 ・汎用 倣い式面取り機
最大2軸仕様
フルカバー標準対応
外径 φ20~180mm
高さ 20~160mm
W1000×D1000×H1605
約490kg
m1~m12
標準機の納期はどのくらいですか?

機種ごとの目安納期は以下の通りです。※個別カスタムの内容により前後する場合があります。

  • KSG-100シリーズ: 約1.5ヶ月
  • KSG-300シリーズ: 約3.5ヶ月
  • KSG-500・700シリーズ: 別途ご相談(仕様により変動)

3. 操作・加工性能について

プログラミングの知識がなくても操作できますか?

はい、可能です。弊社のKSGシリーズはプログラムレスで操作できるよう設計されています。操作盤のスイッチやボリュームによる調整に加え、手動でのユニット位置調整によって段取りや微調整が行えるため、専門知識がなくても運用いただけます。

サイクルタイム(CT)を短縮する具体的な方法は?

多軸構成による加工時間の集約が非常に有効です。お客様の目標CTに合わせて最適なプランを提案いたします。

  • 上下同時加工: 上下のバリを同時に加工することで、サイクルタイムを大幅に短縮し工程を集約します。
  • 分割加工: 4軸配置などによって1つのワークの加工範囲を分担し、全体の加工時間を短縮します。
  • 自動搬入出の連携: 加工時間の短縮に加え、工程間のロスを削減します。
超硬バー式と砥石式ではどちらが良いですか?

用途によって異なります。それぞれの特徴を比較表にまとめました。

比較項目 超硬バー式 砥石式
メリット ・仕上げ面が綺麗
・交換時の位置調整不要
・ツール費用が安い
・大きなバリも除去可能
デメリット ・ツール費用が比較的高価 ・摩耗による位置修正が必要

4. 2次バリ対策とブラシ加工について

2次バリを防ぐ、あるいは除去する方法はありますか?

主な対策として以下の2点があります。

  • 工具の選択: 砥石に比べ、超硬ロータリーバーを使用する方が仕上げ面が比較的きれいになり、2次バリを小さく抑えることができます。
  • ブラシ加工の追加: 超硬ロータリーバーでバリを削り落とした後、仕上げ用のブラシで磨くことで2次バリを除去する仕組みが有効です。
ブラシ加工を導入するメリットは何ですか?

バリを削る工程と2次バリを除去する工程を1台のマシンで完結できる点です。これにより、後工程での手作業を減らし、品質の安定と生産性の向上を同時に実現できます。

どの機種が2次バリ対策に適していますか?

仕上げ用ブラシを搭載できる以下の機種が推奨されます。

  • KSG-300シリーズ 2軸仕様を選択することで「1軸超硬バー + 1軸仕上げブラシ」という構成が可能です。
  • KSG-500・700シリーズ: お客様の品質要求に合わせ、ブラシ加工を含む多軸構成やオーダーメイドの設計が可能です。

KSG-100シリーズは、標準では仕上げ用ブラシを搭載しておりませんが、カスタムでの対応は可能です。

5. テスト・保守・アフターサービス

購入前にテスト(試加工)をお願いすることはできますか?

はい、弊社のテスト機での試加工が可能です。詳細は「お問い合わせ」からご依頼ください。検討中のワーク図面、バリの状態がわかる写真、仕上がり目標、許容加工時間などの情報をいただければ、最適な加工条件を検証いたします。また、立会テストも大歓迎です。

製品の保証期間はどうなっていますか?

保証期間は検収日より1年間です。ただし、取扱説明書に従わない使用や無断改造に起因する故障、および二次的損害については保証の対象外となります。

上記以外のご質問や、個別仕様のご相談、テスト加工のご依頼は
下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

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